44°目線の王道
「いやね。王道的展開は先が見えててつまらないのだよ」

チーズ鱈を食べ終えゴミを片付けながらが香に事情を話しだす。

「主語がない。
と言うかカスもちゃんと方して捨てて頂戴。」

どうしてもチーズ鱈が許せない香はティッシュを緒都に突きつきけた。


「いやね、恋愛小説ってありえないよなって
読んでたらそう思えて仕方ないのよ。」

突きつけられたティッシュを受け取り丁寧に机を拭き取りながら続きを話す。

「当たり前でしょ。
愛に飢えてる人に一時の潤いを与えるものが恋愛小説なのよ。」

綺麗になった机にご満悦な香は辛辣な言葉を返し机の中から本を取り出し邪魔された読書を再開する。
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