SOUND・BOND
真空が自分の弱い心を解かしてくれ、行く道を照らしてくれたのがこの相棒。両方失くしてはいけない大切な存在。
そして、これからは大切なものが増えていくのだろう。
「今日は3つも見つけたしな」
声に出すと少し照れくさく思えて陸燈は自嘲した。
侮れないやつらだけれど、そこがまた面白い。
これからの展開が楽しみで仕方がなかった。
陸燈はギターをソファに立て掛けると、茜(アカネ)色の髪を無造作にかき上げ、ソファの背に両腕を投げ出した。
赤く煌(キラメ)くアルマンディン・ガーネットの瞳はまっさらな白い天井を見つめる。
――なんだかお兄ちゃん、楽しそう――
「真空も、案外AKIタイプか……?」
この疑問には困ったように、少し眉を顰めるのだった。
( SOUND・BOND 完)