SOUND・BOND


「俺らが高校ん時に東京来て、最後の夜にルソワールっていうライブハウス行っただろ?」

「ああ!僕がライブやったとこだね?」

「そうそう」


光も懐かしい名前が出てきて興奮してきたようだ。それに相槌を打って秋司は続ける。


「さっき、どっかのバンドのファンらしい女の子たちが話してたから聞いてみたんだ。そしたらそこで今晩ライブがあって、目茶苦茶カッコいいギタリストが出るんだと」


ギターと聞いて一瞬胸が躍ったが、


「それって、外見だけに注目されてないか?目茶苦茶カッコいいじゃなくて、目茶苦茶上手いギタリストってわけじゃないのか?」


そこが一番の重要点だった。

ギタリスト探しから始めなければならない薫季たちにとっては、欠かせないポイントだ。


「確かに注目されている点は違う。でも、ファンの注目度は重要だぜ?どんなに上手くてもファンが付いて来なきゃ話にならない。それに、まずはどんな情報でも受け入れること!これが仲間探しの基本だな」


ごもっともです、と言う他ない。


「じゃあ、今夜はそこに行ってみようってことだな?」

「その通り!さっすがタキだな」


薫季でなくとも気付くことだろう。

現に、それが分かっていて何処か肩を落としている仲間もいる。


< 48 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop