地球、最後だってさ。



私は早めに学校を抜け出した。


サボり?って言うのかな。


そんなことしても学校の連中は何も言わない。


出席を取る気も無いのだから。


教育の義務とか言ってられないでしょ。


地球崩壊宣言によって職務怠慢、仕事放棄が絶えない。


特に教師という仕事は。


傍若無人に暴れ回るガキの面倒を観るのも疲れたと言わんばかりに

教師がこの学校を辞めて行った。


校長もPTAも何も言わない。


賢明な判断だ。


だって人生の最期は自分が望むことをしたいじゃないか。


それは皆同じ。


「おぉ、アイカちゃんじゃないか」


学校の近所の猫おじさんがいつの間にか私の隣を歩いていた。


自然と猫おじさんに歩幅を合わせる。


「今日、ゴーヤに会ったよ」


猫おじさんとはいつもゴーヤの話題から話す。


「そうか、実は今日一回もゴーヤの姿を見ていなくてねぇ。」

「あいつ気ままじゃん。」


私の返答に猫おじさんはため息で返した。


「朝飯も食いに来なかったんだよ…。」


それ、前にも何度かあったよね。


その事を忘れているのかまるで地球が崩壊するかのように落胆している猫おじさん。


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