地球、最後だってさ。


いやいや、本当に地球崩壊しますが。


とにかく今は話を変えよう。


「今日の長老会はどうでした?」


すると、すぐに猫おじさんの顔は笑顔に変わった。


「今日は小さい子どもとお手玉をしてなぁ。

まるで息子が帰ってきたようだった。」


そうほのぼのと語る。


因みに長老会とは70歳以上の高齢者が集まって子どもたちと遊ぶ会。


うちの祖母さんは

「ガキの世話はこりごりだ」と言って行ってない。


猫おじさんは奥さんに先立たれ、

お子さんたちは成人し上京したとかどうとか。


だから、今はゴーヤと二人暮らし。


それなのにゴーヤはペットじゃないと言い張る。


矛盾してるぞ、ジジィ。


「猫おっさぁ〜ん!」


聞き覚えのある声がした。


さっきまで聞きたくなくても右耳から入ってきた声だ。


ルイがこちらに大きく手を振りながら走ってきた。


「おっさん、俺のこと覚えてる?」


「ああ、覚えているさ。昔はこんな小さかったのになぁ。」


と人差し指と親指で表したのは豆一粒分。


一寸法師にもなれないぞ、そりゃ。


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