地球、最後だってさ。
第三章【黒猫】
「あんた早く学校行きなさいよ」
祖母は猫でも払うかのように手のひらで私を払う。
祖母は動物が嫌いらしい。
だから猫おじさんとの相性もいまいち。
愛人が先立たれた同士で仲良くすればいいのにって思う。
「ゲームしてんだから話しかけないでよ」
私は布団の上で寝っ転がりながらケータイをいじる。
恋愛ゲームは私の憩いの時間だ。
だから誰にも邪魔されたくない。
そう言っているのに祖母はお構い無しに喋ってくる。
身を弁えろってんだ。
って、意味違うか。
「全くあんたは呑気でいいねー。
これでも今日の朝、地震が起きたのよ?
あんた寝てたから気付いてないだろうけど。
都会のほうはこっちより大きくてビルが崩れたりしたんだってさー。」
だから、煎餅をバリボリ食いながら話されても全くシリアスさが感じられないのですが。
「ふーん」
私はそれどころではないのだ。
私はどっぷりとゲーム世界の中に入っていた。
ゲームの中では私はヒロイン。
イケメンな男子たちからアプローチを浴びて、イチャイチャできる。
少女マンガと異なる所は自分がヒロインとして話が進むこと。