地球、最後だってさ。
「ありがとう、アイカちゃんは優しいね。」
おじさんは声を漏らして泣いていた。
私は居たたまれなくなり、教室へと足を動かした。
地球最後に近づいている日、
大切なものが逝き、どう思うのだろう。
私だったら…生きる気力をなくすだろう。
教室のドアを開けると一番最初にルイと目が合った。
「おっさんどうだった?」
「泣いてた」
知ってるなら慰めてあげなよ。
ふと心の中で奴を睨んだ。
「おっさん…どうなっちゃうんだろう…」
「死ぬんじゃん?」
私は鼻で笑った。
「なんだよ、その言い方。アイカらしくない。」
「何よ、私の何を知っていると言いたいの?何も知らないくせに。」
そう睨み返すと、彼は言い返す言葉がなくなったのか舌打ちをした。
そうだ、あんたは私のこと何も知らない。
なのに親密な関係だったことを演じようとしている。
昔、私を裏切ったくせに。
彼は何を思ったのかいきなり席を立ち、教室を出て行った。
…おじさんのところか。
「何々?さっきもめてたけど何があったの?」
休み時間に絵理が興味心身に寄ってきた。
「べつに。」
野次馬は黙っていろ。
今はむしゃくしゃしてんだ。
「そういえばさぁ、アイカって吉田君と知り合いだったの?
なんかそんな感じの話してなかった?」
「知らないよ、あんな奴。」