地球、最後だってさ。
他人だ。
私は授業が終わってから一目散に猫おじさんの家へ向かった。
やはりおじさんが気になる。
ただ様子を見に行くだけ。
それだけだ、慰めの言葉なんて言えない。
言える自信がない。
家に着き、ベルを鳴らそうとすると、笑い声が聞こえた。
裏庭のほうだ。
私はこっそりとそこへ行くと、
物干し場のところでおじさんとルイが笑いながら何かを話していた。
何それ…おじさん、さっきまで泣いてたくせに。
心の移り変わりようは何?
・・・私が心配した意味がないじゃない。
「あっ」
ルイに気づかれた。
「こっち来いよ!」
教室では私のこと怒っていたのに今の気前のよさは何なのだろう。
私は猫おじさんの隣に座った。
「こいつもおっさんのこと心配してたんだぞー」
こいつに“こいつ”と言われるのは気に食わないがここは冷静に受け止めておこう。
「そうか、アイカちゃんも心配させてすまなかったな。」
「べつに平気。それよりおじさんは平気なの?」
猫おじさんの顔を見ると校門のときで見た
よぼよぼの顔に張りがあって生き生きとしていた。
「ああ、いつまでも泣いていられないからな。」
と言っても、立ち直るの早くないか?
「一日一日がもったいない。」
そうですか。
それはそれは結構。
「私、そろそろ帰るね。」
「おょ?さっき来たばっかりじゃん。」