地球、最後だってさ。
ルイ、この家の主のように言うなよ。
「またいつでも来なさい。」
猫おじさんは優しい笑顔で微笑んだ。
来てほしいのだろうな、悟ってみた。
帰り道、畑だらけで夕日を隠すことないこの自然に私たちは照らされていた。
私は夕日から逃げるように早足で歩いた。
「なんですぐに帰ろうとしたんだよ。」
理由なんてひとつだ。
私はそこにいる必要がない。
「私はおじさんの言い分が理解できない。」
「言い分って?」
「一日一日を大切にしたいって」
「?それは普通じゃないか?」
「では、私は普通が理解できていないと言うのか?」
私の歩幅に合わせるルイの声が暗くなった。
「知らない、その理解できない理由は?」
「・・・だってもう終わるのだから」
そう、もう最後。
「終わるから一日一日を大切にするものじゃない?」
「違う」
私は立ち止まり、彼に向き直った。
「結局、私たちは“無”になる。
何を使用がどう思おうが全て“無”になるんだ。」
大きな声ではっきりと伝えた。
昔からお前は政治家に向いているんじゃないかと言われていたが、
私はそんな国を動かすような役目は務められない。
それでも、言いたいことは全部吐き出したい。
彼はひるむことなく真剣な目で私の目を見る。
負けられない、負けるものか。