地球、最後だってさ。


「その前に俺たちは生きている。だったらただ最後をずっと待つんじゃなくて、

生きている証拠に“夢”を持ったっていいじゃないか。」


夢…。


よくそんなこと言えるよね。


私から何もかも奪ったくせに。


私は彼から目をそらした。


「何キレイ事言ってんのよ。笑えない…。」


だって最後が来れば全部無くなっちゃうんだよ。


大好きなこの町も人も動物も思い出も自分自身も・・・。


そう思うと人々がやっていることが悪あがきにしか見えない。


彼の体が動いた。


―と、思ったら私は彼に包まれた。


ぎゅっと抱きしめる彼の体は昔とは違ってがっしりとして

私はすっぽり納まってしまった。


「寂しかったろ」


ぽんぽんと頭を軽くなでるルイ。


偉そうにしやがって。


でも、心は落ち着く。


それは私が探している―。



「離して!!」


私は彼の腕を振り払い、彼を睨み返した。


「私は寂しいと思ったことなど断じてない!!余計なお世話だ!!」


とくにお前に同情されるなんて不覚だ。


「それでも俺はアイカのことが好きだ」


勝手に言っておけ。


私は

あんたのことが嫌いだ―。


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