地球、最後だってさ。
ぞーさん。きりんしゃん。くまさん。
あとは何かいろいろ回りにカラフルな折り紙で作られた動物が
壁に張られていた部屋で私とルイはいつも二人きりで両親を待っていた。
そのうち私はキレる。
「マジでボイコットしてんじゃねぇーの?
私らのことなんてさー興味ねぇーんだよ。
んで、ひょっこり現れたと思ったらバックレるんだよなー。」
「アイカさん酒飲みましたか?」
「あ?何言ってんのてめぇ?」
「いえ、何も」
私がキレるのは睡魔と寂しさが同時に現れた時だ。
「オレはアイカがすきだよ」
それを知っているルイはいつも抱きしめてくれる。
母親の温もりのよう。
だから母親は嫌いだった。
母親なこと何もしていないのに母親面して…。
「ごめんごめん遅れたー!」
私の両親は共働きで夜遅くに私たちを迎えに来ていた。
その時には私はもう夢の中。
そして次の日に起きてうつろな眼がパッチリと開いたときにはまた保育園。
だから両親と触れ合う時間なんて全くなかった。
だから私の中で、
両親<保育園の友達
という比較の図式で表していた。
だから、父親のアメリカ転勤には大反対だった。
「ちーちゃんとみゆきちゃんたちと離れたくないー!!
アメリカなんて行きたくないー!!」
私のわがままにとうとう母親は耐え切れなくなって怒鳴った。
「だったら一人でここに残ればいい!!」
その言葉通り、私は祖母の家に住むようになった。