地球、最後だってさ。


私はこのことによって母親が大嫌いになった。


そして何も言わずに両親についていったルイのことも。


そいつらが今、のこのこと私の前に現れたのだ。


何?罪滅ぼしのつもり?


地球最後に“家族団欒”ごっこでもするの?


笑える。


『ずっと逢いたかった。もう離さない…。』


恋愛ゲームで幼馴染と言う設定にするとカッコいい男の子にそう言われた。


「離れるのはもういやだ」


ルイはあのときそう言った。


ルイとは恋愛感情は生まれない。


生まれてはいけないのだ。


私たちは兄妹なのだから。


「なんで名字が変わったの?」


ある日の帰り道、私は彼に尋ねた。


彼は感情のない顔で言った。


「親が離婚した。」


その言い方はまるで自分だけの家族のことを言っているようで、

私は他人よと言ってるようだった。


私は心の中で小さく微笑んでみせた。


ほら、永遠の愛なんてない。


そう確信付けてくれたのは自分に最も近い両親だったのだ。


「ごめん」

「なんでルイが謝るの。てか、謝る理由なんてないでしょ。」


ルイはしょんぼりとした顔で隣を歩く。


「俺、いつかまた4人で暮らせる日を楽しみにしてた。」

「何言ってるの」


私は軽く笑って、石ころを蹴飛ばした。


「私を追いていったじゃない」

「それは・・・」


言い返そうと彼は顔を上げた私を見るが、

石ころは田んぼに消えていく姿を見ていた私が悲しく見えたのか何も言わなかった。


分かっている。


小さい頃なんて、親が絶対服従だった。


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