地球、最後だってさ。
第五章【愛】



「最近、ゲームやらないわね。」


こたつに入り、猫背でみかんを一房ずつ食べる祖母はぽつりと言った。


「飽きた」


なんか恋愛ゲームもパターン化してきてマンネリ状態。


私は勇気を振り絞って“退会”に押したのだ。


「肩叩きしてあげようか?」

「年寄り扱いするな」


祖母がぴしゃりと断ったので祖母の肩を触ろうとした手を引っ込めた。


「することないなら学校行きなさい」

「今日からもう冬休みなんだから学校は休みだよ」

「学校に休みなんてないでしょ」


いや、ありますよ。


なんという理不尽な言い方してるんですか。


それより私はあなたにお尋ねしたいことがあるのですが。


私はこたつに入り、テーブルの真ん中に置かれている箱のせんべいをつまんだ。


気前良く、祖母は私に緑茶を注いでくれる。


のほほんとしたこの生活に癒される。


「ねぇ、お母さんとお父さんが離婚したのって知ってる?」


聞くことは昼ドラっぽい話だけど。


「あっちのことはなーんも知らんよ。」


無関心な祖母はせんべいを音を立ててながら食べる。


「ルイはお母さんに引き取られてお母さんの旧名の吉田になって、

私はおばあちゃんっ子だからお父さんと同じ伊藤のままなんだって。」


私はルイが教えてくれたことをそのまま祖母に伝えた。


祖母は「ふーん」とまた無関心な返答をする。


まぁ、そういうもんか。


この人は地球危機でも他人事のように話す人だもん。


“離婚”なんて痴話喧嘩のようにしか聞こえないのかな。


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