地球、最後だってさ。
田んぼや畑が7割を占めていると言っていいぐらいのこの町。
前から思っていたのだが町というかここは村に近いものじゃないのか。
私たちは障害物もないこの町を何時間も駆けて探していたが
ファイルらしきものは何も落ちてなかった。
「もう見つかんねぇよぉ。」
山の周辺を探していたルイは熊にも襲われそうになったのか服がぼろぼろになって現れた。
「駅のほうにもなかった。」
私は一応、絵理に報告した。
絵理は黙ったままうつむいている。
「また皆に書いてもらえばいいじゃん」
絵理は大きく首を振る。
「遠くに引っ越しちゃった友達とかいるから…」
「それだったら逢いに行きゃいいじゃん、国内だろ?
だったら地球が滅びる前に行ける。」
さすが帰国子女。
あんたが言うと説得力あるよ。
しかし、また絵理は大きく首を振る。
「それでも間に合わないよぉ」
絵理はしゃがみ込み、泣きじゃくった。
「なんでだよ?なんかあるのかよ?」
ルイは戸惑って、私を見た。
私もさっぱり分からず首を振った。
「年賀状が書けないよぉ…」
「年賀状!?」
ルイの声を私の声が重なった。
まさかここで年賀状という言葉が出てくるとは思わなかった。