地球、最後だってさ。


「って言っても、拓也はどう思ってるか分かんないけどねぇ~。」


千恵さんは手をひらひらとさせておどけて見せた。


その顔に私は肩の力が抜けた。


私は重い話は苦手なんだ、今までの出来事により自分の未熟さに落胆する。


私は嘘をつく余裕すらない。


「てか、拓也遅いよねぇ。何してるんだろう?」

「私、見てきましょうか?」

「お願いできる?」

「はい」


私はその場から立ち上がり、部屋を出たが、

この家には初めて入ったのでどこがどこだか分らない。


さまよっているうちにリビングに着いた。


そこにはお茶を入れるのに苦戦している拓也さんがいた。


お茶の葉のそのままカップに入れていますが。


「拓也さん、そんなことしたら味が渋くなりますよ。」

「うわぁっ」


私のいきなりの登場に拓也さんは驚いてやかんのお湯をこぼした。


「あちちちち」


カップを持っていた手にお湯がかかり慌てている。


私は急いで彼の手を水道の水で冷やした。


「ごめんねー」


拓也さんはおどけたように笑う。


「いえ、私が驚かしてしまったので」


私は頭を下げてからお茶を汲みなおした。




< 47 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop