地球、最後だってさ。
「って言っても、拓也はどう思ってるか分かんないけどねぇ~。」
千恵さんは手をひらひらとさせておどけて見せた。
その顔に私は肩の力が抜けた。
私は重い話は苦手なんだ、今までの出来事により自分の未熟さに落胆する。
私は嘘をつく余裕すらない。
「てか、拓也遅いよねぇ。何してるんだろう?」
「私、見てきましょうか?」
「お願いできる?」
「はい」
私はその場から立ち上がり、部屋を出たが、
この家には初めて入ったのでどこがどこだか分らない。
さまよっているうちにリビングに着いた。
そこにはお茶を入れるのに苦戦している拓也さんがいた。
お茶の葉のそのままカップに入れていますが。
「拓也さん、そんなことしたら味が渋くなりますよ。」
「うわぁっ」
私のいきなりの登場に拓也さんは驚いてやかんのお湯をこぼした。
「あちちちち」
カップを持っていた手にお湯がかかり慌てている。
私は急いで彼の手を水道の水で冷やした。
「ごめんねー」
拓也さんはおどけたように笑う。
「いえ、私が驚かしてしまったので」
私は頭を下げてからお茶を汲みなおした。