地球、最後だってさ。
「ごめんね、アイカちゃんのほうがお客なのに。俺、こういうの苦手で。」
「いえ」
私がお茶を持っていこうとすると
「さすがにそうすると千恵に怒られるから」
と拓也さんが持つことになった。
部屋に入るとすぐに異変に気づいた。
千恵さんがベッドの掛け布団にしがみつき苦しそうに唸っていた。
「千恵!」
拓也さんは私にお茶を渡し、千恵さんに駆け寄った。
「大丈夫か、千恵!」
彼はすぐに彼女を抱えて車に向かう。
私もテーブルにお茶を置いて彼らのあとをついていった。
私は場違いかもしれない、そんな思いが頭の中をよぎった。
「アイカちゃんも来て!」
千恵さんを助手席に乗せ、彼は私の存在に気づき、荷台を指した。
「はい」
私は威勢良く返事をする。
野次馬ではない、何かお役に立てるのならば。