地球、最後だってさ。
第六章【家族】
「全く電話ぐらいしなさいよ!!」
病院の帰り、祖母に電話するとその一言で電話をぶち切られた。
「おばあちゃんどうだった?」
千恵さんが真ん中の窓から私に聞いた。
「かなりキレてました。」
拓也さんが運転をしながら笑いだす。
「心配してたんだよ。俺も“電話しとけ”ぐらい言ってけばよかったな。」
「拓也さんのせいじゃないですよ」
それに祖母に怒られるのは慣れている。
この前なんて昼ドラで新登場した役者が下手だとか言ってとばっちり受けたのだから。
はぁ・・・なんなんだか。
家に帰ると靴が何足かあった。
お客さん?
居間に行くと自然と私の足が止まった。
「おや、帰ってきたか。」
万年こたつだった祖母が立ち上がり、台所へ向かう。
「お茶でいいかい?」
「いらない」
「久しぶりに家族水入らずで話しなさいよ」
「話すことなんてない」
「アイカ!!」
祖母は私を怒鳴りつける。
私はふんと目をそらした。