地球、最後だってさ。


「二人ともです」

「アイカちゃんは優しいよね〜。拓也なんかさ〜」


奥さんが愚痴をこぼそうとすると、

タイミング良く家から住野さんの旦那さんがこちらに駆けてきた。


「千恵、赤ちゃんが風邪引くから外出んなって言っただろ」

「なぬ!?私は風邪引いてもいいのか!?」

「いや…そういう事じゃなくて…」


あら、修羅場…。


にも見えない新婚ほやほやの二人はいつもこんな感じ。


幸せそうでこちらも暖かい気持ちになる。


「アイカちゃん学校?学校なんてサボっちゃえばいいのに。」


急に旦那さんが私に振ったので私は驚いて目を丸くする。


「こらー。アイカちゃんは拓也とは違うんだから〜。」


旦那さんの隣で奥さんがてぃっと軽く旦那さんの頭に拳を当てる。


…確かに旦那さんのいう通り学校に行かなくてもいい。


私たちの将来はもう決まっているのだから。


でも、私は妥協するのが嫌で学校に行っている。


「それじゃ、遅刻しちゃうんで。」

「いってらっしゃ〜い!」


私は住野夫婦に軽く一礼をしてその場を去った。


正直なところ、

私はあの夫婦が一番理解できない。


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