地球、最後だってさ。
皆、そうだ。
地球崩壊と告げられたその日、
学校に言ってみると皆、そわそわしてて落ち着いてなかった。
しかし、一週間すればいつも通り平和な日常。
ただちょっと人の心が変わっただけ。
―話を戻そう。
なぜ私があの夫婦を理解できないかというと、
お腹にいる赤ちゃんのことだ。
赤ちゃんの出産日は来年の冬。
あと一年もかかる。
その前に死んでしまうのだからどんなに大切にしたって意味がないだろう。
それを…なんで…あそこまで…。
「ニャーオ」
猫の鳴き声で我に返る。
もう目の前は学校だった。
私の下を歩く黒猫は私を見てもう一回鳴いた。
「そう思わない?ゴーヤ。」
「ニャーオ」
yesかnoかはっきりしない返事が返ってきた。
ちなみに“ゴーヤ”というのは私が通う中学校の近所のおじさんが考えた名前。
野良猫だけど。
名前を付けてエサをあげるくらいなら飼えばいいのにって思う。
だけどおじさんは
「ゴーヤを自由にさせたい」
って。
分からなくもない。