「渚ちゃん。もぉすぐ始まるから準備してね」
あたしは微笑み頷いた。
さて…。
あたしは更衣室に戻り、小さいディオールのポーチを取り、ホールへ向かった。
今日の主役である絢香は、赤のドレスを着ている。
それからのことは何も覚えていない。
気がついたら来たときと同じメイクに髪型に服。右手には携帯。左手にはコーヒー。
あたしは優斗に電話をした。
「はい。」
愛しい人の声。
『あたし。夕夏。』
「夕夏!!?今どこや!!?」
いきなりの声の大きさにびっくりした。
『えっと…公園。』
「どこの?」
あたしは目印になるものを探した。

『薬局がある。』
あたしは名前の知らない薬局を見つけた。普通に薬局って書いてあるだけ。
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