恋のおくすり
パリ――――――――ン・・・
突然、大きな音がした。
「あっっっそれ・・・
“恋のおくすり”・・・!!」
そう・・・あたしが持ってたおくすりを落としてしまい、
容器が見事に割れ、中身もどこかへ飛んで行った。
「信じられない・・・!!
乃依ちゃん、なんで落とすの!!?」
「わざと落としたの」
「え・・・!?
だからなんで!!」
「もうこんなものいらない!!」
「だったらわたしにくれればよかったじゃん!!」
「こんなの、人が持ってたらいけないものなんだよ!」
そう・・・わざと割ったなんて嘘。
だけど知佳ちゃんには・・・
知佳ちゃんだからこそ、わかってほしい。
こんなものあったって意味ないってこと――――・・・。