悪魔的×王子。

「………っ先輩っ!」


あれ?今先輩は部活中のはず…



「あぁ、俺今日は部活休みだから。」



春先輩は、私の聞きたかったことを言う。


「先輩はエスパーだったんですね。」




「は?………それよりお前は何やってんの?」



「はい!私はっ!…私は…、その、先生に、呼び出されて……」



私かっこ悪い(泣



「ふーん。そのプリントの山は?」




「資料室に運ぶんです」



そう答えると、いきなり目の前のプリントが半分になった。


「っ?」


びっくりして隣を見ると、

「ヒマだから持ってやる」



先輩が目を合わさずに言った。



「先輩っ………!」



思わず顔がにやけちゃう。


「早く行くぞ」




歩きだした先輩の背中は
何だか優しく見える。


廊下がもっと長かったら良いのに、

なんて言ったら先輩は怒るかな?



『ヒマ』なんて嘘ですよね?だって今は部活の時間だから――


なんてことも言えないけど。




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