A z u r e
トン、トン、

規則正しいリズムを刻みながら下へと降りていく。
両親は、いない。

いないと言っても死別したわけではない。
仕事が成功したかなんかで、ずっと海外に言っている。

誕生日には、プレゼントと手紙が届く。
最期に顔を見たのは、何時だったかな。


「オハヨォーっ大和ー」
「はよー。朝飯食うだろうー??席ついとけー。」
「あいー。」

一人暮らし、は許される訳なくて義理の兄のヤマト
と二人暮らしをしている。
住んでいる場所は中々田舎だが、いい所で気に入っていた。


現在中2と現在高2の男女。
親戚の中には何人か反対する人もいたが

「じゃぁ、アンタらが面倒見てくれるんですか」

と言えば、皆が押し黙り二人暮らしが許された。



テーブルにつけば、目玉焼きとベーコンが目に入った。
目玉焼きのフォークを突き刺しながら、トーストが焼けるのを待つ。



「そだー、琥都ー?今日用事ある??」
「ん~??」

ベーコンを口の中に放り込みながら大和の方を見る。
今日は、普通どおりの5時間で用事と言う用事はない。

ベーコンをゆっくりと食べながら考える。
何か、面倒くさい事でも押し付けられるのだろうか。


「…ないよー?どうしたの??」
「そかぁ。じゃぁ今日は迎えに行くわ。」
「は?話の意図が掴めないんだけど??」


大和はビクッと肩を振るわせた後に「話があんだよー」
とアハハ、と大げさに笑いながらその話を終わらせた。

琥都もたいして突っ込むわけではなくそのまま食事を続けた。

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