雨傘




負け組。



私に着せられた、汚名。


三年間、必死に勉強してきた。お母さんのために。お家のために。


何よりも、勉強を優先した。


友達は、出来なかった。


皆に、きっとキモチワルがられていた。


それでも良かった。


私が馬鹿だったら、きっと母は愛してくれない。


大事なのは、友達じゃない。家族だもの。そう、言い聞かせた。



だけど

全部無駄になった




狙っていた高校に、落ちた。


声が聞こえる。


「フン、あんなに勉強してたのにねぇ。結局負け組じゃん。」

「あんなつまんない人生は送りたくねーなぁ」


負け組
ツマラナイ


「あんな高校にも受からんなんて、アイツ駄目だな。」

「出来損ないの恥知らずが。」



出来損ない
恥知らず
駄目


「もう知らないわよ、あんたなんか…。期待して損した。親不孝もの。」



親不孝


ねぇ、なんで?

なんでよ、お母さん。

あたし、頑張ったよ。

お母さんのために、我慢したんだよ、色々なこと。

ねぇ…。






あぁ、そっか…。

意味がないんだね、お母さんにとって。


もう、めんどくさくなっちゃったよ。
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