手紙
君に
D. Ryou
いつからだろう。
君の態度が冷たくなったのは。
やっぱりあの時かな。
君に。
「オレお前のこと嫌いだから」
そう言われたあの時から─────。
最初は、「なにこいつ。チビのくせに声でか!てかでしゃばりじゃん!!」
そんな風な、悪い印象だけだった。
でも、いつだっただろう。
君にあたしの好きな人は誰なのかを問題にして出したのは。
君はヒントを元にどんどん考えて、そして当ててしまったね。
別に当てたってよかった。
と言うよりも、当ててほしかったんだ。
彼がどうしているかを、君に教えてもらいたかったんだから。
正解だと知った君は、とても喜んでいたね。
あたしは友達に好きな人を教えなかったから。
自分が最初に知って嬉しかったんだろう。
でも、そんな君を見ていたら苦しくなったんだ。
本当だったら喜ぶべきところなのに。
彼のことを教えてもらえる、たった一つの手段だったんだから。
それでもあたしの胸は痛んだ。
君に教えたことを、後悔したわけじゃない。
ただ、君の喜ぶ姿を見て。
どうしてだろう。
心から笑うことができなかった。