手紙
その日1日、ずっと考えていた。
次の日やっとわかったよ。
好きな人なんて、本当は口実だったんだ。
君と少しでも話していたくて。
君に、ヒントを聞きに自分から来てほしくて。
本当は彼のことを、好きだったわけじゃないのかもしれない。
ただ、憧れていただけなのかもしれない。
それでも君に妬いてほしくて。
ただ、あたしのことが好きだっていう態度を見せてほしくて。
ただ純粋に、君のことが好きだっただけなんだ。
あたしは恋愛のことに関して嘘が下手だから。
君にはすぐにばれてしまった。
それでも君は、いつもと変わらず話してくれたね。
そんな小さなことが、とても嬉しかったんだ。
そんな気持ちをあたしが表に出してしまったから。
君とあたしはみんなにひやかされた。
それがひとつの原因だったのかな。
もう1つはきっと、あたしが告白しようと思ったこと。
きっとこれなんだ。
ただ。
ただ、君にあたしの気持ちをしっかりと知ってほしかっただけなんだ。
そのことを知った君は、大掃除の日。
教室で。
あたしに。
「オレお前のこと嫌いだから」
そう告げた。
でも、それでも、諦めることなんてできなかった。
こんなに人を好きになったのは初めてだった。
本気だったんだ。
本気で君のことが好きだった。
でも、君は嫌がるだけだったね。