アタシと君と、



ジュワ――…



部屋中に広がる香ばしい匂い。


今日の晩御飯は豚の生姜焼きにワカメの味噌汁、ほうれん草のおひたしにお漬物。


…まあまあ上手く出来たじゃない?
ちょっと焦げたけど。


フライパンから大皿に取り分け、テーブルに運ぶ。



その時、テーブルの上に置いてた、携帯の着メロが流れて、




……―――嫌な予感。




画面を見なくても、
指定設定してある着メロだから、相手は彼氏のリョウだって分かってて、


しかも大体見当のつく用件の電話だろうって分かるから、


『…ハァ―…』


深ーい深呼吸をして、あたしは通話ボタンを押した。



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