日食
〈 プロローグ 〉
俺の上には太陽なんてなかった。


けれど、暗くはなかった。


太陽に代わるものがあったから・・・。


夜を朝だと思って生きるコトができた。


明るくはないけれど、歩いてゆくには十分な灯りだった・・・。


だから、その僅かな灯りを頼りに歩いてゆこうと決めたんだ・・・。


例え、ゆく先が闇で閉ざされていようと・・・。


辿り着く先が光1つない場所でも・・・。
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