日食
「つまり孤独を武器にしてるってコトか…。お前は相変わらず頭が良いな。」


感心したように涼は何度か頷いた後、再び口を開いた。



「そんで実際、どんな風に金を騙し取んの?」


『色々あるけど、この間は孤児院の子供達を助ける為の募金活動に協力してくれって言ったら身内やら友達やらに広めて1週間で20万を持ってきた女が居た。』


「すげぇ…。俺もやってみようかな?」


『辞めとけ。お前がやるとすぐにバレそうだから。』


「そんなヘマしねぇよ。」


『とにかく辞めとけ。お前は普通に稼げ。』


「分かったよ…。」


『そろそろバイトだから行くわ。ちゃんと鍵閉めてから出ろよ。』


「了解〜!頑張れ!」


部屋のベッドに寝転んだままの涼が笑顔で水月を見送った。
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