ヤクビョウ神†天使の微笑み†
『あっち行って!』

 雫は手を振り回して魚のゴーストを刹那から払い除ける。



『このままじゃ、2人とも・・・』

 雫は、右手を真っ直ぐ上に伸ばして手のひらを空に向けて開くと、



『水よ、針となりて炸裂せよ・・・』

 何やら呪文と同時に、雫の手のひらの上に水の塊が出来て、野球ボールくらいの大きさに膨れ上がる。



『“浄めの水針”!!』

 水玉は破裂し、無数の破片を作りだしては、矢の如く尖らせて周囲のゴーストに突き刺さった。

 刺さったゴーストは粒子状に散りばめて空に消えていく。



 そして、一時は逃げたと思ったゴーストたちだが、また群れをなして2人の所に戻ってくる。

 そして口をパクパクさせて、2人から霊力を吸い始めるのだった。



『はぁ、はぁ、はぁ……
 き、浄めの水針!』

 雫はもう一度術を唱えるが、水玉は形を崩して消えて無くなってしまった。



『そんな、もう霊力が、切れて・・・』
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