ヤクビョウ神†天使の微笑み†
「う、うぅ・・・」

 刹那が目を覚ました場所、そこは今朝見た覚えがある場所だった。

 仰向けに見て、正面には白い天井があり、右はソファーの背もたれで視界が遮られ、左を向くとそこには自分と同じく仰向けに寝ている雫がいる。



「雫!!?」

 刹那が上半身だけ飛び起きてかかっていた毛布が床に滑り落ちる。



『大丈夫ですよ。
 雫さんは霊力を消耗しすぎて気を失っているだけです』

 遠くから響いてくるように、ゴーストの声が雫を見る刹那の左側から聞こえてきた。

 刹那は声の主を探すべくキョロキョロと見回し、見つけて驚く。



「しゅ、周慈さん?!」

『久しぶりですね、刹那君』

 優しい男性の声だ。

 もちろん声だけでなく、表情や口調からも分かるお方だ。
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