ヤクビョウ神†天使の微笑み†
 しかし、それは“普通の人”の見る映像でしかない。



 刹那の目にはまた違ったものが映っていた。



 それは、1人の女性の姿だった。





 彼女の名前は“柳本 雫”



 年は刹那と同じく、後髪は長い黒髪、前は綺麗に切り揃えられている。

 顔は、今は心配の表情でいっぱいだが、人に優しい印象を与える顔立ちで、誰にも好かれる暖かい女性だ。

 服装は黒いインナーに白いシャツでチェックのスカートという、動きやすさを基調としていた。



 だが、彼女にとって“動きやすい、にくい”は関係ない。

 なぜなら・・・





 雫は、“幽霊(ゴースト)”だからだ。





「ちょっと散歩にでも行こう」

 刹那は掛け布団を押し退け、ベッドから降りるなり、服を脱ぎ始める。

『ちょ、ちょっと!
 刹那のバカ・・・!』
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