日向葵
「俺は平気!それより女が一人で帰っちゃ危ないし、送る」
「本当に大丈夫、ありがと」
「…………ズリィよ、ありがとうとか言われたら何も言えねぇじゃん」
「うん、知ってる。」
「確信犯かよ!」
「弥太くん優しいからなんとなくね、」
「じゃあ気を付けて、電話してるフリして帰れよ」
「……しないよ、そんなこと」
弥太くんは最後にハハッと太陽の笑顔を見せてから別れた
改札口を抜けてチラッと後ろを振り向くと気づいた弥太くんが笑顔で手を振ってくれた
私も照れながら手を振った
弥太くんは、最後、壁で見えなくなるまで私を見送ってくれた
「……あなただけを見つめています………」