騎士はキミに恋をする

どこからか指してくる太陽の光が、
橙色に変わり始めた頃に
私は途切れていた意識を覚醒させた。

頭がボーっとする。
きっと寝ていたのだろう。

未だ夢見気分な私は
眼をしばたたかせながら
隣にいるテラスを見た。

瞬間、私のおでこを衝撃が襲う。

「い、だ…っ?」

鈍い痛みに耐えながら前を見る。

そこには、
今デコピンしました。
って書いてありそうなほどに
不自然な形をした手と、

笑ったテラスの顔があった。

眠気で動かない頭で必死に理解する。

そして、自分の両手で
テラスの両の頬を一瞬でつかみ、

ぎにゅううううううううう。

思いっきり引っ張った。

「い゛…っ!」

そしてテラスの悲鳴が鳴り響いた。









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