騎士はキミに恋をする
最後の1人は少し手強かった。
いつの間にか、
テラスの背後から、
テラスの首に向けて
剣を振りおろしていたからだった。
テラスは紙一重で何とかよける。
そして、剣の平たい部分で、
鳩尾を全力で殴った。
「が、っは…。」
最後の1人は
腹を押さえてベットの下に崩れ落ちた。
全員が気絶とか
しているわけではなかったが、
痛みで動けない状態ではあった。
テラスが、4人の黒装束を
縛り上げたころに、
何人かの兵隊が部屋に来た。
「どうしたんですか?」
1人の兵隊が聞いた。
「ああ、寝ていたら、
いきなり襲われてな、
多分、『正義』のほうの刺客だろう。」
剣で黒装束たちを
指しながらテラスが言う。
「は、では、
牢のほうへ移しますか?」
「そうしてくれ。」
そう言うと兵隊たちは
黒装束たちを移動させようとした。