騎士はキミに恋をする
先ほどよりも穏やかになった寝顔に
心なしか頬の筋肉が緩む。
「あ、そうだ、
誰かに言わないと。」
テラスの意識が戻ったわけではないが、
嬉しすぎて誰かに言いたかった。
でも、まだ離れたくない。
テラスを失ってしまうのか
という恐怖からやっと解放された今、
またテラスが
隣からいなくなってしまうのか
と想像するだけでとても怖かった。
だから、
もうしばらくだけ、
この場にとどまっていることにした。
せめて、
この繋いでいる手が離れてしまうまで。