騎士はキミに恋をする
同時刻、
アンジェリーナは城の敷地の最北端にある
竜小屋にきていた。
簡単に言ってしまうと
馬小屋のようなものだ。
だが、中に待機しているのは
もちろん馬などではなく竜である。
そこにいる竜は
すべてこの国の竜騎士たちが
従える竜たちであった。
この小屋には
鋼のように厚い鱗をした竜もいれば
翼がなかったり、
炎を吐く代わりに
水を自由自在に操るものもいる。
だが、世界中にいる竜を
すべて調べたらきっともっといて
キリがないだろう。
それだけ竜の数と種類は多いのだ。
アンジェリーナは竜の間をするりと擦り抜け
自分の竜のもとへと歩いていく。
そして、
小屋の一番端のほうにいた相棒を
アンジェリーナは見つけた。