騎士はキミに恋をする
「いいのか?」
不意にアンジェリーナは
自らの喉元に剣の切っ先を
少し肉に食い込む程度に突き立てた。
それを見て、
ミグレットはまた飛び掛かろうとする。
「これはお前に対する牽制だ。
お前が我に歯向かえば
お前の主は死ぬぞ?」
そう言いながら
アンジェリーナは
もっと深く突き立てた。
血がほんの少しだけ
喉から滲み出して垂れていく。
その様子を見て、
ミグレットは歯痒い思いと
自分に対する失望でいっぱいになった。