騎士はキミに恋をする

「ふふ、お前が我に従うなら
お前の主は傷付けやしない。
だが、少しでも歯向かおうとするなら、」

そう言って、
アンジェリーナは
くつくつと低く笑ってみせた。

ミグレットは
アンジェリーナを乗っ取っている何かが
言おうとしてることがわかっていた。

今、自分が主人を守るために
出来ることとは?

そんなことは既に決まっている。
そして、とうに知っている。

だからミグレットは
アンジェリーナにいつもするように
恭しく頭を垂れた。

「ふふふ、ふふ、そうだ。
お前は主と我のために
果てるのだ。」

さぞ満足したような顔で
くつくつと笑いながら
アンジェリーナは剣を仕舞った。








< 207 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop