騎士はキミに恋をする
「ふふ、お前が我に従うなら
お前の主は傷付けやしない。
だが、少しでも歯向かおうとするなら、」
そう言って、
アンジェリーナは
くつくつと低く笑ってみせた。
ミグレットは
アンジェリーナを乗っ取っている何かが
言おうとしてることがわかっていた。
今、自分が主人を守るために
出来ることとは?
そんなことは既に決まっている。
そして、とうに知っている。
だからミグレットは
アンジェリーナにいつもするように
恭しく頭を垂れた。
「ふふふ、ふふ、そうだ。
お前は主と我のために
果てるのだ。」
さぞ満足したような顔で
くつくつと笑いながら
アンジェリーナは剣を仕舞った。