騎士はキミに恋をする
Ⅳ 瞼を開けた先に、
「……。」
締め切られたカーテンの隙間から
僅かに日に光が差し込み、
テラスはその眩しさに顔を歪めながら
重々しく瞼を開けた。
「ん、」
自分はどのくらい寝ていたのだろう?
傷の具合は?
ユートピアは?
玖零羽は?
そこでふと自分の体が
何かによってベットに
抑えつけられているような気がして、
そのなにかを確認するために、
ほんの少しだけ顔を上げた。