騎士はキミに恋をする
そこには気持ちよさそうに
すやすやと眠る玖零羽がいた。
「ん、んんー。うどん…。」
安堵しているような寝顔と
意味不明な寝言に
少しだけ笑みが零れて、ほっと息をつく。
ぼふっ、と重力に任せて頭を枕に置くと
頬や目の横に違和感を感じた。
布団の中から手を出し、
その場所を触ってみると、
そこには濡れた跡があった。
ヨダレではないらしい。
これは…、涙?
何で俺は泣いていたのだろう?
何か夢を見て泣いていたのだろうか?
思い出せない。
どんな夢を見ていたのだろうか。
思い出せない…。
ただ、暗い場所にいたことしか
思い出せなかった。