騎士はキミに恋をする
「はあ?何言っちゃってんの?」
「助けなんて来ないよ。」
多少イラついた声で言ってくる不良達、
玖澪羽はチラッと一瞥して
またチョコを食べたした。
「さっさとどっか行け」と言いたいらしい。
「んのアマ・・・っ」
鼻ピアスをした男が
玖澪羽の腕をつかんだ。
最後のチョコが
ぼとっと音を立てて手から落ちる。
そして。
「・・・・・っ?!」
玖澪羽をの腕を掴んでいた男の手が
不意に離れた。
否、
玖澪羽は車通りの多い道路へと
遠心力を利用して吹き飛ばされた。
二車線の、
歩行者側のほうの道路の真ん中で
踏ん張って止まる。
そして。
目の前に迫る大きなトラック。
遠くから聞こえる音は、
人の悲鳴と、
車のクラクション。
動く事はしなかった。
動いたところで
轢かれるという事実は変わらないから。