騎士はキミに恋をする
ふと、
不良達が居た歩行者用の道路を見る。
不良達は、笑っていた。
「ざまーみろ。」とでも言うように。
「・・・・。つみれ。あいみ。」
そして、不良達の奥の後ろのほうに、
さっきまで一緒にいた友人がいた。
2人は恐怖に引きつった顔をしなければ、
悲鳴も上げてなかった。
かといって、笑ってもいなかった。
ただただ、無表情。
2人は玖澪羽を
ただただ無表情で見ていた。
そう、面識も無い、知らない人が
何かをしてるとでも言うような、
シラけた面。
別に絶望も何もしなかった。
玖澪羽は自分が
2人を嫌っている一方で
気づいていたのだ。
2人も自分を嫌っている、と。
別に、悲しくも無い。
さびしくも無い。
絶望なんてもっとしない。
自分は今轢かれて死ぬんだ
という事だけが頭の中をよぎっていった。