騎士はキミに恋をする
黒いものの集団が玖澪羽の元に
急旋回してやってきた。
「ちぃっ!気づかれた。逃げるぞ!」
「ほとんどあんたの所為だけどね。」
テラスの横でぼそっと呟いた。
瞬間、
玖澪羽の体が浮かび上がった。
ユートピアが急降下したからだ。
「きゃ、ぁっ?!」
声が裏返って変な悲鳴を上げた。
「危ねぇ!」
空へと吹っ飛んでいきそうになった
玖澪羽の体はテラスによって
ユートピアの背に引き戻された。
「あっぶなああああ。
死ぬかと思ったぁ・・・・・・。」
また吹っ飛んでいきそうにならない様に、
玖澪羽はテラスの服を
がっちり掴みながら言った。
「ったく、本当だな。
次は首輪でもつけてやる。」
ニタリと笑うテラスの横で、
玖澪羽は首輪をつけている自分を
リアルに想像して、恐怖した。
「こ、ここここ今度からは気をつけます。
す、すすすいませんでした。」
背中を冷や汗がつたった。