騎士はキミに恋をする

服を脱いで、
私はお風呂に入れられた。

お城というだけあった、
お風呂も、とにかくでかい。

一人で入るには心さびしかった。

「お湯加減はどうですかー?」

外から声が聞こえる。
その声に、大丈夫です。とだけ答えると、
湯船にじゃぶんと沈んでみた。

…。
ちょっと楽しい。

それから数回、
じゃぶんじゃぶんと沈んで遊んでいると、
突然出入り口となるドアが開いた。

「っ?!!」

びっくりして湯船の中で飛び跳ねる。

「頭を洗いに来ましたー。」

石鹸を持つ赤毛のメイドは
にっこりと笑うと、
石鹸を湯船のお湯で泡立て、
濡れた私の頭に泡をめいっぱいつけた。

それから丁寧に
わしゃわしゃと頭皮を洗っていく。

けっこう気持ちよかった。

「御かゆいところはないですか?」
と聞かれたときには、
少し吹き出しそうになった。








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