騎士はキミに恋をする
脱衣所から声が聞こえた。
さっきのメイドたちの雑談だろうか。
耳を澄まして声を聞く。
「----だから、---には、」
「--には、---似合わない」
「やっぱり、------でしょ」
……?
何を言っているのか
途切れ途切れでほとんど分からない。
私の悪口だろうか?
もっと耳を澄ましてみる。
「クレハ様には、
やっぱりピンクの
モスリンたっぷりの
流行のドレスでしょう!」
「いいえ!
ここは、大人っぽく、
緑のシンプルなドレスで!」
段々喧嘩腰になってくる会話の内容は、
私にどのドレスを着せるかの
相談らしかった。
「……。」
いや、私は、
ドレス自体着たくはないです。
声には出さずに抗議した。