騎士はキミに恋をする
結局、玖零羽は
ずっと鏡とにらめっこしていたが、
何故髪の色と瞳の色が
変わってしまったのかは、
わかるわけでもなく、
さっきよりもぐったりとしていた。
「さあさ、もう少しでつきますよ。」
おばちゃんメイドならぬ
副メイド長が私の前を歩きながら言う。
いま、私は化粧などを終え、
少しヒールの高い靴を履かせられ、
副メイド長の後ろ。
城の中の長い廊下を歩いていた。
コルセットが苦しい。
浴衣や着物とは比べ物にならない。
呼吸をするたびに
体力が削られるような感触。
止まりたいけれど、
副メイド長は
止まってくれそうにはなかった。
仕方がないので、
さっきからこの状態。
早くついて。
と心の中で玖澪羽は必死に懇願した。