騎士はキミに恋をする
料理は驚くほど美味しかった。
盛り付けもきれいだった。
ミシュランでも
軽く5つ星をとってしまうと思う。
でも、ナイフとフォークは
あまり使ったことが無かったので、
結構苦戦を強いられた。
「あ、そうだ。」
ふと、
髪の毛と瞳のことを思い出して、
声を上げる。
「どうした?」
「なんで私の髪の毛と
目の色が変わっているの?」
その言葉を発した途端、
テラスは不可思議な顔をした。
困惑と、驚きと、呆れを
足して、2で割ったようなかんじ。
不可思議すぎて面白かった。
「……。
あの草原でお前を見つけた時から
お前の髪の色と瞳の色はその色だが?」
少しの沈黙の後、
テラスがおずおずとそう言ってきた。
え、まさか今まで
気が付いてなかった?
えーっ。
自分の鈍感さ加減に
呆れ果てる玖澪羽であった。