騎士はキミに恋をする
「じゃあ、やっぱりこの色、
やっぱり嫌。」
好きになりかけていた髪、瞳の色は
テラスの話を聞いてまた嫌いになっていた。
「なんでだ?
俺はすごく好きだぞ?」
嫌いになる理由が
わからないとでも言うように、
さらっとこっ恥ずかしいことを言う。
「さっき、
さも嫌いそうに言ってたくせに?」
「実体験を話して面倒くさかったな。
と思い出しただけだ。」
「ああ、もう一人の?
あんたが守ってたとか?」
「そうだ。」
「その子どうなったの?」
「さあ。」
曖昧な返事をして食事をするテラス。
私はさして
その返事の意味を深く考えもせずに、
「ふーん」とだけ言うと、
止めていた食事を再開した。