騎士はキミに恋をする

案内された部屋は、
めちゃくちゃ広かった。

学校の教室の約8倍はある。

扉から一番遠い真正面、
ベランダ付きの大きな窓。

右側には
ダブルベッドよりも大きいベッド。
ふかふかする。

左側には、
大きなクローゼットやドレッサーを
含んだ家具。

「…こん、なに広い意味ある、のぉ?」

言葉を漏らす。

眠気は限界を超えていた。
おかげで少し、
言葉遣いがおかしくなる。

「ベッ、ド」

もう立っていられないので、
一刻も早く、とベッドに行く。

倒れこんだベッドは
バウンドして私を一回宙へと上げると、
そのまま降ってきた私を
やらわらかい布団で受け止めた。

「や、ば、げんか、い」

急いで枕もとへ向かう。

そして布団へと潜り込むと
私は眼を閉じた。

眠気は私の意識を
一瞬にして薄れさせた。







< 72 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop