騎士はキミに恋をする
案内された部屋は、
めちゃくちゃ広かった。
学校の教室の約8倍はある。
扉から一番遠い真正面、
ベランダ付きの大きな窓。
右側には
ダブルベッドよりも大きいベッド。
ふかふかする。
左側には、
大きなクローゼットやドレッサーを
含んだ家具。
「…こん、なに広い意味ある、のぉ?」
言葉を漏らす。
眠気は限界を超えていた。
おかげで少し、
言葉遣いがおかしくなる。
「ベッ、ド」
もう立っていられないので、
一刻も早く、とベッドに行く。
倒れこんだベッドは
バウンドして私を一回宙へと上げると、
そのまま降ってきた私を
やらわらかい布団で受け止めた。
「や、ば、げんか、い」
急いで枕もとへ向かう。
そして布団へと潜り込むと
私は眼を閉じた。
眠気は私の意識を
一瞬にして薄れさせた。